競輪にはチームが存在する！？競輪で見られる作戦と決まり手や「S・B・H」、予想に超役立つ「ライン」について解説！

まず、競輪には逃げるのか、捲りを狙うのか、それとも先行する選手の後ろにつき直線で差すのかなど、選手やレースそれぞれで作戦が存在するぞ。
これは競馬などでも見られるものと同じだ。
おおまかに分けると、競輪には以下のような作戦がある。

• 逃げ
• 捲り
• 差し
• 番手競り(ハコ)
• 飛びつき

ようは選手それぞれに得意な走り方があるわけで、それを活かせるようにレースが展開されるぞ。
一方、こんな事を言うのもなんだが、競輪の作戦に関しては有ってないようなものとも言える！
というのも、2番車の選手が先行突っ張りでレースを考えていたとしても、1番車の選手がスタートで先頭を取り、そのまま突っ張り先行してしまえば、2番車の選手は一度下がらざるを得ない。
そうなってしまえばそのレースでは捲り、もしくはカマシ先行を狙うしかなくなり、作戦が破綻するというわけだな！
そのため、当初の思惑通り運べば作戦通りといえますが、そうならない可能性、ライバルに思い通りにさせないように他選手も仕掛けるという想定などが予想には重要な要素になる。
選手がさまざまな展開に備えて走っているように、予想する俺たちも決まり手や相手関係を考えて予想を組み立てる必要があるな！

作戦に関しては水物といえるが、選手の決まり手をチェックすることはそのレースの展開を予想するうえで何より重大な要素だぞ！
決まり手とは、直近のレースでその選手が2着以内に入った際、どのような走り方で2着以内に入ったかを示す項目だ！
出走表には必ず書かれているもので、絶対にチェックしたい項目だ。
具体的なものは以下の通り。

• 逃（逃げ）・・・最終周回開始時にホーム・ストレッチ・ラインを先頭で通過した選手が、そのまま2着以内でゴール線を通過した際に加算
• 捲（捲り）・・・最終周回開始時にホーム・ストレッチ・ラインを先頭で通過せず、最終4コーナーまでに先頭の選手を追い抜いて、そのまま2着以内でゴール線を通過した際に加算
• 差（差し）・・・最終4コーナーを過ぎて、先頭の選手を追い抜いてゴール線を通過するか、前の選手を抜いて2着以内でゴール線を通過した際に加算
• マ（マーク）・・・最終4コーナーまでにマークしていた選手（番手に付いた選手）が1着に入ったときに、2着でゴール線を通過した際に加算

出走表の3つのアルファベット「S・B・H」の意味も一緒にチェック！

決まり手以外にも、予想をする上で覚えておきたい、出走表に載っているアルファベットの意味も一緒に押さえておこう。
それは以下の3つだ！

• S（スタンディング）・・・スタート後、1番先に出て先頭を取り、先頭誘導員の後ろを走った回数
• B（バック）・・・最終周回のバックストレッチラインを先頭で通過した回数
• H（ホーム）・・・最終周回のホームストレッチラインを先頭で通過した回数

上記の項目は、レース展開や予想をする上で重要な数値となるぞ。
特にBは大切で、この数字が多い選手は逃げやカマシ捲りがメインの戦術ということになる。
逃げが有利な競輪場なんかで予想をする場合は、バック数が多い選手が先頭するラインを軸に予想を組み立てると良いぞ！
S・B・Hのより詳しい説明は以下のページで確認してみてくれ！

これまで決まり手と「S・B・H」について解説したが、これらの要素を見ることで、そのレースの展開を予想することができるぞ！
単純に、逃げの決まり手とBが多い選手は逃げ主体の選手、差しやマークが多い選手はラインの番手として仕事をしながら、最後の直線に勝負をかける選手など、それぞれの得意な走り方が分かるわけだな！

S・B・Hや決まり手から具体的に予想を組み立ててみる！

ここでは実際に具体例を挙げながら、予想を組み立ててみるぞ！
まず、S・Bともに数値が10以上ついていて、逃げの決まり手が多い選手がいた場合は、その選手は徹底先行タイプと考えて良いだろう。
スタートをとり、先頭誘導員が離れる際に後ろの選手の仕掛けを突っ張り、終始ペースを握りながら先頭を走りたい突っ張りタイプの選手だな。
左の画像でいう、赤枠の中の4番車村田選手のような存在だ。
彼は直近4ヶ月でSが16回、Bが17回、さらに逃げの決まり手が14回とまさに逃げ主体の選手と言えるな！
反対に、3番車福永選手はSは22回と多いものの、Bは10回、そして決まり手は捲りが9回と捲り主体の選手といえる。
このような選手はレース中に中団など好位置をキープして捲り一撃を狙うために、S取りをしていると考えられるぞ！

反対に、左の画像の緑枠で囲った6番車長田選手や7番車高橋選手のような、Sは少ないのにB数が多く、逃げの決まり手も多い選手は、ジャン付近で仕掛けていくカマシタイプと言える！
突っ張られても再度仕掛けて、強引に先行車を叩いて先頭を確保するのか、捲りに構えることもあったりと柔軟な走りを見せる選手だな。
この辺りは、決まり手が逃げなのか捲りなのかで、どの位置で仕掛けているのかを把握・想定するのが大事だぞ。
上記のように、決まり手を理解する事で予想が組み立てやすくなる。
決まり手の理解が深まれば、より競輪を楽しめること間違いなしだな！

ラインの中にSが多い選手がいれば、そのラインは先手を取ることが多い

追込みを得意としているにも関わらず、Sが多いという選手も一定数存在するぞ！
そのような選手は自分が属するラインが有利にレースを進められるよう、自分の脚を多少使ってでもS取りをするラインにとってはありがたい選手だ！
そのような選手がいる場合、その選手が属するラインは先手を取って前目でレースを展開することが多いぞ。
ラインの先頭を走る自力選手以外のデータもしっかり確認しよう！

競輪を楽しむ上で絶対に欠かせない要素にはもう一つ、「ライン」という競輪でしか見られない特別な要素があるぞ！
ラインとは、その選手が所属する地区や近隣地域で作るいわばチームのようなものだ。
競輪ではそれぞれのレースでラインが組まれているぞ。
ラインとはそれぞれの長所を活かすもので、「自力選手」と「追込み選手」で構成されることが多い。
ラインでの役割がどのようなものなのか、以下で具体的に説明していく！

ラインを先頭で引っ張る「自力選手」

自力選手はその名の通り、自力を活かしてラインを引っ張る選手だ。
ラインの先頭を走り、先行や捲りでレースを組み立てるわけだな。
出走表でＢや決まり手の逃げ、捲りが多い選手が自力選手にあたるぞ！

自力選手の後ろで仕事をこなす「追込み選手」

自力選手の後ろ（番手）に着けるのが「追込み選手」だ！
追込み選手は自力選手を風避けにレースを走り、最後の直線に勝負をかける選手だな。
出走表で差しやマークが多い選手にあたるぞ！
一見風避けがいるなら追込み選手が断然有利だと思えるかもしれないが、競輪の追込み選手には「ヨコ」と呼ばれる大きな仕事がある！
ヨコとは、捲りやカマシ先行を狙ってくる後続の選手に対し、ヨコに自転車を進める動きをしてけん制、進行を妨害し、簡単に先頭へ行かせないテクニックだ！
これによって先行する自力選手は思う存分自力を発揮することができるぞ！
これらが競輪独自の「ライン」で、このチームワークが競輪の大きな魅力でもあるわけだな！

今回は、決まり手やライン、出走表から確認できる「S・B・H」について解説したぞ！
これらの要素は予想に超重要で、理解することで展開予想に役立つのはもちろん、「この選手は徹底先行タイプだからこのラインの番手を軸にしよう」や「競争得点がずば抜けてるこの選手は捲りで1着だろう」など、予想の軸を決めることができるんだ！
出走表に掲載されていることが多いデータだから、必ず確認したいところだな。
一方、その選手が得意な作戦が絶対に活かされるとは限らないのも競輪の面白さの一つだ。
もし徹底先行タイプの自力選手が2人いるレースがあれば、お互いが先行しようとスピードが上がっていき、ゴール手前では力を使い果たして2人で最後方に・・・なんて展開もよくある。
その選手が先行を譲らないタイプなのか、クレバーに立ち回り捲りに構えることもできる選手なのかなどを、過去の決まり手データからしっかり考える必要があるな。
出走表の項目の意味やラインを理解して、競輪をもっと楽しもう！