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競輪における偉業「グランドスラム」とは?条件や歴代達成者、王手をかけている選手について解説!

スポーツにおいてよく使われる「グランドスラム」と言う単語。
これにはそのスポーツの大会において、いくつもの結果を残したという意味がある。
競輪においてもそれは変わらず、「4日制以上のすべてのG1レースを制する」事によって獲得できる称号の一つだ。
現在達成した選手は5名だけと、かなり少なくなっている。
この記事ではそんなグランドスラムについて詳細な達成条件や達成した選手である井上 茂徳元選手、滝澤 正光元選手、神山 雄一郎元選手、新田 祐大選手、そして2025年完全グランドスラムを達成した脇本雄太選手について解説させて頂く!

【2025年2月】脇本雄太が「G1全日本選抜競輪」優勝で「グランプリスラム」達成!

2025年2月24日に豊橋競輪場で開催されたG1「全日本選抜競輪」を福井支部の脇本雄太(わきもと・ゆうた)が優勝!
脇本雄太は2024年11月の小倉G1「競輪祭」を優勝しグランドスラムまで残すところ全日本選抜競輪のみとしていたため、この優勝によりグランドスラムを達成したぞ!

さらにさらに、脇本雄太は2022年に競輪界の頂点を決める戦い、「競輪グランプリ」で優勝しているため、史上初となる「グランプリ制覇+グランドスラム」を達成
最初は完全グランドスラムなんかと呼ばれていたが、巷では新たに「グランプリスラム」という名前が作られ、グランプリスラムは脇本雄太唯一の称号となった!

「グランドスラム」についてと達成した選手達

競輪をしていると時折目に入る「グランドスラム」の文字。
グランドスラムというのは、「その年の主な試合にすべて勝つ事」や「全ての開催場で勝利を収める事」などといった偉業を指し示す用語となっている。

語源は19世紀ごろにイギリスで誕生したトランプゲーム「コントラクトブリッジ」が大本とされていて、この「コントラクトブリッジ」では13回勝利する事を「グランドスラム」と呼んでいたらしい。
競輪・競艇を始めテニスなどでも使われている用語でもあるな!

競輪におけるグランドスラムの意味合い

競輪においては「4日制以上のG1レース全てにおいて優勝を果たす」事を指している。
聞くだけでも相当な難易度と考えられるように、実際に「グランドスラム」を達成した選手は歴代で4人しか存在していない。
現在G1レースは年に6回開催されており、その全てで優勝を果たすのはかなり至難である!
以下は現在開催されているG1レースになる。

  • 全日本選抜競輪
  • 日本選手権競輪
  • 高松宮記念杯競輪
  • 世界選手権記念トーナメント
  • オールスター競輪
  • 競輪祭

これらのG1を制す事によってグランドスラムを達成する事が出来る。
かなり難しい達成条件ではあるが、実際に達成した選手が存在している以上不可能ではない。
現在グランドスラムを達成した選手は以下の選手達である。

  • 井上 茂徳 元選手
  • 滝澤 正光 元選手
  • 神山 雄一郎 選手
  • 新田 祐大 選手
  • 脇本 雄太 選手

それぞれの選手について詳細を見ていこう。

初代グランドスラム達成者:井上 茂徳元選手

初代グランドスラム達成者となるのは「井上 茂徳」元選手だ。
「井上 茂徳」元選手は、現在は既に引退されてしまった競輪選手の大御所。

活動されていたのは1978年4月1日から1999年3月31日であり、累計戦績は1626戦653勝、優勝154回、生涯獲得賞金は15億6643万4532円となっている。
成績が示す通り、時代を牽引してきた選手の一人であり未だに生涯獲得賞金ランキングに名前を残している選手だ。

井上選手がグランドスラムを達成したのは1988年6月7日のことであり、高松宮記念杯競輪の優勝によって全G1勝利を達成する運びとなった。
デビューから10年2ヶ月での達成となった。

井上元選手が優勝した全てのG1レースがまとめられた動画もあったので、是非一度見ておきたい。

またその後は1999年に開催されたG1レースである日本選手権競輪を最後のレースとして選手生活を終えている。
また引退後は競輪解説者として活動し、2016年には日本名輪会の会長に就任していたりと未だに競輪に携わっているようだ。
引退したとしても競輪が好きという事が伝わってくるな!

2代目グランドスラム達成者:滝澤 正光元選手

グランドスラム2人目の達成者は「滝澤 正光」元選手だ。
「滝澤 正光」元選手の活動年は1979年4月1日から2008年6月30日であり、かなり近年まで活躍されていた選手だな。

引退までの総合成績は2457戦787勝、優勝回数は150回、生涯獲得賞金は17億5644万円となっている。
凄まじい成績であり、井上元選手と同じく生涯獲得賞金ランキングでも名前が残っているためご存知の方も多いかもしれないな。

そんな滝澤選手がグランドスラムを達成したのは、1990年11月27日に開催された競輪祭だった。
30歳にしてグランドスラム達成と考えると、かなり早い達成だな。
デビューから11年7ヶ月での達成となった。

滝澤元選手のグランドスラム達成までの道のりに関しても動画でまとめられていたのでこちらも一度見ておきたい。

引退レースとなったのは2008年6月24日に開催されたG3レースの富山競輪開設記念となった。
S級からA級への降格が決まった際にA級に落ちてまで走り続けるつもりはなかった為引退を決めたようだ。

3代目グランドスラム達成者:神山 雄一郎選手

グランドスラム3人目は「神山 雄一郎」選手だ。
神山選手は現役で活動されている競輪選手であり、61期登録の競輪選手である。

神山選手がグランドスラムを達成したのは、1999年3月30日の事であり決め手となったのは日本選手権競輪となった。
デビューから10年11ヶ月での達成となった。
ちなみにこの時は既に現行と同じく4日制以上のGIが6レースとなっていたため、そういった意味では史上初の選手である。
またそういう経歴を持っている事で名前をもじって「神」とも呼ばれる事もある選手だ。

神山選手は現在通算で904勝の最多勝利を果たしていたりG1優勝においても17回KEIRINグランプリに関しても最多出場を記録している選手としても知られている。
しかしKEIRINグランプリにおいては優勝した事がないというエピソードも持っているため、今後グランプリでどう動くのかといった点についても気になる所である。

4代目グランドスラム達成者:新田 祐大選手

もっとも新しいグランドスラマー4人目は「新田 祐大」選手だ。
新田選手がグランドスラムを果たしたのは2022年とかなり最近の事であり、神山選手のグランドスラムからかなり期間が空いてのグランドスラマーとなる。

やはり4日制G1レースが6つ以上になってからはグランドスラムの難易度も高くなっているのだろう。
そんな中で優勝を果たした新田選手は、まさに悲願の達成だったのではないだろうか?

また新田選手はグランドスラム達成時の年齢が38歳と、グランドスラムを達成した年齢で言えば最年長での達成となっている。
他の選手らに関しては全員30歳でグランドスラムを達成しているため、ある意味では流れを大きく変えたといえる選手である。
そういった意味ではグランドスラムの夢の幅を広げた選手とも言えるな。

通算成績では394回の勝利と10回のG1優勝を果たしている。

グランドスラマー6人目の候補!

次にグランドスラムを取りそうな選手について考えてみよう。
グランドスラムの条件であるのは全G1レースの優勝である。
現在リーチが掛かっている選手たちについて、調査を行ってみた。

選手名全日本選抜競輪日本選手権競輪高松宮記念杯競輪世界選手権記念トーナメントオールスター競輪競輪祭
山崎芳仁-
武田豊樹--
平原康多--
古性優作--

もっとも近いのは山崎芳仁選手であり、G1優勝回数は累計9回となっている。
残るは日本選手権競輪のみだが、ご本人の年齢も2024年現在44歳と肉体的なリミットを考えると少し厳し目だろうか。

そして他にもグランドスラムに近い選手は武田豊樹選手、平原康多選手、古性優作選手だが、それぞれ残す所2つといった具合であるためすぐにグランドスラム達成という訳ではなさそうである。
グランドスラム自体が実力だけでなく運も必要となるため、王手が掛かったとしても達成はかなり難しいのだろう。
必要なG1が6つになってからはその難しさもより顕著なのかもしれない。

まとめ!グランドスラムはかなり高難度!歴代達成選手は5名のみ

というわけで今回は競艇におけるグランドスラムについて解説させていただいた。
最後に「グランドスラム」についての基本情報をまとめるぞ。

  • 現在グランドスラム達成選手は5名
  • もっとも新しいグランドスラマーは脇本雄太で2025年2月に達成
  • 脇本雄太はグランプリを優勝しているため、史上初の「グランプリスラム」達成者
  • グランドスラムに王手をかけているのは山崎芳仁であとは日本選手権競輪のみ
  • グランドスラムは実力だけでなく運も必要

達成条件が6つのG1レースを優勝という高い難易度ではあるが、その分達成時の偉業は讃えられるものだ。
脇本雄太がグランプリスラムを達成できたのには、相当な実力と運、さらにはこれまで古性優作ら中近勢を捨て身先行で引っ張ってきた一面が大きく影響しているだろう。
中々難しいグランドスラムではあるが、見ている我々としても非常に気になる事柄であるのは間違いないな。

チャリ吉
チャリ吉
仕事終わりに遊べるミッドナイト競輪があることを知ったのがきっかけで競輪にドップリのめり込んだギャンブル好き。
他の公営競技と違い、自力が最重視される戦いが良い。
普段は6車、7車立てで勝負しているため、休みの日に9車立ての出走表を見るとビビる。
グレードレースの決勝で帯を取るのが夢。

掲載の内容はライター独自の見解であり、その正確性・再現性を保証するものではありません。